2011年10月25日火曜日

作曲、作詞、プリプロ

東京工科大学メディア学部の吉岡です。

現在、HumanCubeのお二人は作曲、作詞、プリプロの真っ最中。正直、この期間は周りのスタッフとしては出来ることはあまりありません。私も昔作曲家をやってましたが、作曲には「産みの苦しみ」がつきものですので、お二人はさぞかし大変だろうと想像します。ただ、ある意味一番楽しい時かもしれません。そのアーティストにとって、新しい曲が生まれるんですからね。

今日はプリプロについて少しお話しましょう。プリプロとは「プリプロダクション(プレプロダクション)」のことで、本格的なレコーディングやミキシング、つまり「プロダクション」の前に行う作業のことです。大抵はパソコンと音楽制作ソフトを使って行い、楽曲の大まかな方向性を決めます。近年では、ほとんどの音をソフトウェアで鳴らすことが出来るので、プリプロと言っても、完成に近い形にすることが自宅などで出来てしまいます。メディア学部でも「DAWベーシック」という人気の演習があり、ソフトウェアを使った音楽・音響制作の技術を学びたい学生が100名近く受講します。最近は特にパソコンが普及したり、同人音楽がはやったりと、個人制作を行う人が増えている傾向にあります。

この段階での特徴は、曲名は何かしらつけるけれでも(仮)。作詞もするけど(仮)。編曲に使う楽器も(仮)。楽曲がある程度形になるまで、(仮)なんですね。これらの(仮)が名前から外れるのは、ジャケットデザインの入稿をしなければならない時なのです。CDのようなパッケージを販売するのであれば宿命ですね。但し、音楽配信であれば、もう少し変わってくるかもしれません。

11月に入ると、一気にレコーディングが始まります。ドラムを録音する時は、大きなスタジオを使用することになるでしょう。歌やギターなどであれば、小さい方のスタジオを使います。目的に合わせてこれから調整していくことになります。

どんな曲になるのか、今からとても楽しみです。そして、11月26日(土)のイベントでも聞く事が出来る曲があるのかな、、、、、。事前登録を忘れないようにお願いしますね。

それでは、また。

東京工科大学メディア学部 講師
吉岡 英樹

2011年10月6日木曜日

後期授業開始!

東京工科大学メディア学部講師の吉岡です。

CD1000枚オーディション優勝者が「Human Cube」に決まり、いよいよCD制作に取りかかります!!

と言っても、「CD制作」ってどういう手順で進むか、皆さんご存知でしょうか。

「曲を作る」→「CDにやく」→「売る」

個人で制作するのであれば、こういったことかもしれませんが、ビジネスとしてCDを作るのはそう簡単にはいきません。今日は私が担当している「音楽制作技法の基礎」という講義科目から「CD制作の工程」について、少しお話します。

まず、「音」は空気の振動ですから、「モノ」としては存在しないことになります。その「音」を録音して「モノ」にしたのが「CD」です。一方で、音楽配信で購入するものは「データ」ですね。「モノ」としては存在しませんので、「CD」いわゆる「パッケージ」とは少し感覚が違いますね。今回の企画「CD1000枚オーディション」は「モノ」としてのCDが昔に比べると売れなくなっていることから、その価値を改めて考え、どうしたらCDが売れるかを真剣に考えようという企画なのです。

音楽ビジネスでは誰に「権利」があるのかを明確にすることが重要です。音楽が使用される様々な場面を想定して、どういった売上分配をするかを決めて、可能であれば契約書を交わすことでトラブルを避けることが出来ます。個人やインディーズ・レーベルによる制作が増えている近年では、契約書を交わさずに制作することも多いと思いますが、「覚え書き」程度でも書類を残すことが大事です。

今回の制作でも、まずはプロデューサーの松本さん、Human Cube、私でどのように制作を進めるか、売上をどう扱うかなどについて9月20日に打ち合わせをしました。また、ジャケットデザインのスケジュール、音源制作スケジュール、レコーディングスケジュールも想定出来る範囲で検討しました。

一般的な音源制作の工程は以下のようになります。

[プリプロダクション]→[仮うた録音]→[楽器の録音(ギター、ドラムなど)]→[仮ミックス]→[歌詞の完成]→[本うた録音]→[ミックス]→[マスタリング]→[プレス]→[CD完成]

現在は[プリプロダクション]の段階で、Human Cubeのtunaさんが曲を作っている段階です。また、ジャケットデザインについてはmi-coさんがデザイナーとイメージについてやりとりを始めるところです。

TMSは、まだ制作に関してはあまり出番はありませんが、現在マーケティング・チームを作り、販売価格、曲数、ターゲットとなる層、販売方法、工夫する点、ソーシャルメディアの活用方法などについてプロデューサーの松本さんを交えて話しをしているところです。こういった販売戦略が音源やジャケットデザインそのものに反映されることもあります。

制作状況をあまり公開せずに、完成されたものを発表するのが通常のやり方ですが、今回の制作は、途中経過をどんどん公開して、皆様の意見も頂きながら完成させたいと考えています。ご意見があれば是非お寄せ下さい。

東京工科大学メディア学部 講師
吉岡 英樹