CD1000枚オーディション優勝者が「Human Cube」に決まり、いよいよCD制作に取りかかります!!
と言っても、「CD制作」ってどういう手順で進むか、皆さんご存知でしょうか。
「曲を作る」→「CDにやく」→「売る」
個人で制作するのであれば、こういったことかもしれませんが、ビジネスとしてCDを作るのはそう簡単にはいきません。今日は私が担当している「音楽制作技法の基礎」という講義科目から「CD制作の工程」について、少しお話します。
まず、「音」は空気の振動ですから、「モノ」としては存在しないことになります。その「音」を録音して「モノ」にしたのが「CD」です。一方で、音楽配信で購入するものは「データ」ですね。「モノ」としては存在しませんので、「CD」いわゆる「パッケージ」とは少し感覚が違いますね。今回の企画「CD1000枚オーディション」は「モノ」としてのCDが昔に比べると売れなくなっていることから、その価値を改めて考え、どうしたらCDが売れるかを真剣に考えようという企画なのです。
音楽ビジネスでは誰に「権利」があるのかを明確にすることが重要です。音楽が使用される様々な場面を想定して、どういった売上分配をするかを決めて、可能であれば契約書を交わすことでトラブルを避けることが出来ます。個人やインディーズ・レーベルによる制作が増えている近年では、契約書を交わさずに制作することも多いと思いますが、「覚え書き」程度でも書類を残すことが大事です。
今回の制作でも、まずはプロデューサーの松本さん、Human Cube、私でどのように制作を進めるか、売上をどう扱うかなどについて9月20日に打ち合わせをしました。また、ジャケットデザインのスケジュール、音源制作スケジュール、レコーディングスケジュールも想定出来る範囲で検討しました。
一般的な音源制作の工程は以下のようになります。
[プリプロダクション]→[仮うた録音]→[楽器の録音(ギター、ドラムなど)]→[仮ミックス]→[歌詞の完成]→[本うた録音]→[ミックス]→[マスタリング]→[プレス]→[CD完成]
現在は[プリプロダクション]の段階で、Human Cubeのtunaさんが曲を作っている段階です。また、ジャケットデザインについてはmi-coさんがデザイナーとイメージについてやりとりを始めるところです。
TMSは、まだ制作に関してはあまり出番はありませんが、現在マーケティング・チームを作り、販売価格、曲数、ターゲットとなる層、販売方法、工夫する点、ソーシャルメディアの活用方法などについてプロデューサーの松本さんを交えて話しをしているところです。こういった販売戦略が音源やジャケットデザインそのものに反映されることもあります。
制作状況をあまり公開せずに、完成されたものを発表するのが通常のやり方ですが、今回の制作は、途中経過をどんどん公開して、皆様の意見も頂きながら完成させたいと考えています。ご意見があれば是非お寄せ下さい。
東京工科大学メディア学部 講師
吉岡 英樹
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